水銀分析に関する法令改正など、加熱気化水銀測定の用途と需要が拡大する中、時代のニーズに応え、優れたコストパフォーマンスを誇る加熱気化水銀測定装置をリリースしました。
上位モデルからサンプルチェンジャーやオプション機能を取り除き、シンプルにすることで、必要性能を損なうことなく小型・軽量化も実現しています。
水銀測定頻度の高くないお客様や、既設の水銀測定装置のバックアップ機としても最適です。
土壌, 汚泥, 肥料, 飼料, 食品, 電気・電子機器材料, 生体組織, 医薬品, 鉱石, 石炭, 廃油, 樹脂, 廃液, 原油, 重油, スラッジ 他
加熱気化法
「測定頻度は高くない。でも煩わしい湿式前処理の不要な加熱気化測定を、より簡易にかつ手頃な価格で実現できないか」とのお客様の声により誕生した、加熱気化水銀測定装置のエントリーモデルです。
廃棄物, 土壌, 石炭, 食品などの試料を、酸やアルカリなどによる湿式前処理を行わず、加熱気化にて直接測定します。
上位モデルからオートサンプルチェンジャーやオプション機能を取り除き、マニュアル測定による優れたコストパフォーマンスと、各種法令に対しても充分な性能を両立しています。
また卓上型モデルとして、画期的な軽量、小型化を実現しており、簡単に持ち運び出来、限られたスペースでの設置も可能となりました。
試料は予め設定された条件にて加熱分解され、水銀を原子化し、特殊な水銀捕集管に金アマルガムとして水銀のみを濃縮します。測定に不要な妨害成分は、試料加熱管などの除去機構によりほぼ完全に除去されます。その後、水銀捕集管を再加熱し、気化した水銀を原子吸光法で測定します。
石油製品の製品管理のために、石油中水銀測定装置 PE-1000と平行して導入、運用いただくことで、重油やスラッジなどより広範囲の石油系試料をカバーでき、大幅な運用効率のアップに寄与します。
分析操作は極めてシンプルで、高度な分析知識は不要です。
固体または液体の試料をセラミックス製ボートに秤量し、本体へセット後、加熱分解条件を選択して頂くだけです。
加熱気化測定において最も重要な加熱分解条件は、弊社の豊富なアプリケーション測定の経験に基づき、主要試料名毎に登録されています。
加熱気化水銀測定装置 MA-3 Solo |
測定対象 | 固体試料、液体試料、気体試料 ※1 ※2 |
分析方法 | 加熱気化-金アマルガム捕集冷原子吸光法 | |
測定原理 | 非分散ダブルビーム冷原子吸光法 | |
光源 | 低圧水銀放電管 | |
検出器 | 半導体検出器 (254nmバンドパスフィルター付) | |
検出限界、精度 | 検出限界0.01ng 精度RSD 3% (0.1ng以上)※3 | |
測定範囲 | 0~10,000ng | |
測定時間 | 30sec~300sec | |
測定時流量 | 0.2L/min | |
排ガス処理 | 水銀除去用活性炭フィルター | |
試料加熱温度 | ~850℃ | |
加熱制御 | 3STEP設定 (温度時間任意設定可能) | |
加熱時間 | 3min.~30min. | |
キャリアガス | 浄化空気 | |
試料容器 | 専用セラミックボート (容量1.5mL) | |
寸法・重量 | 幅403 × 高さ300 × 奥行き252 (mm)、13kg | |
電源 | AC100-240V、50/60Hz、1.1KVA | |
使用環境 | 温度15~35℃、湿度10~80%RH (かつ結露がないこと) | |
標準付属品 | 試料ボート (大) 10個、ボート台、ボートトング、Lシステイン | |
制御・データ処理システム MA3Solo_Win |
OS | Windows 11 Pro |
通信 | USB | |
表示 (日本語/英語) |
ピーク波形、検量線グラフ、測定経過、測定結果、装置状態 | |
データ処理 | 検量線 (1次式×3種、3次式×3種)、単位設定、濃度計算、ベースライン補正、統計計算 (平均値、標準偏差、CV%) | |
精度管理 | 装置チェック、検量線判定、ブランクチェック、回収率計算 | |
印刷 | メモ、検量線式・グラフ、測定値表、統計計算、ピーク波形、測定日時、装置チェック結果 | |
パソコン | ノートパソコン | |
プリンター | インクジェットプリンター |
※1:一部測定が困難な試料もあります。
※2:気体試料の測定にはオプションの捕集管測定キットが必要です。
※3:低濃度測定には一定の条件が必要です。
オートサンプルチェンジャーを標準搭載した加熱気化水銀測定装置の世界標準モデル