廃棄物
廃棄物

廃棄物は私たちの生活と密接に関わっており、廃棄物処理の課題は、時代と共に変化してきました。
戦後から1950年代には、ごみの投棄によって、ハエや蚊の大量発生・伝染病の拡大など、公衆衛生問題が発生しました。
1960年代~1970年代には、急速な工業化の過程で有害廃棄物が公害問題を引き起こしました。
工場から排出された有機水銀が原因で発生した水俣病(熊本)と新潟水俣病も、その一つです。
1980年代以降は環境保全が課題になり、大量生産・大量消費・大量廃棄から、3R(発生抑制、再利用、再生利用)を推進する循環型社会の形成が目標となりました。

この流れの中で、有害廃棄物を適正に埋立処理するため、1973年に廃棄物処理法施行規則において、水銀やカドミウムなどの有害な重金属や、有機性汚染物質(PCB等)などを含む有害廃棄物に関する判定基準が設定されました。

さらに2017年に発効した水俣条約を受け、廃棄物処理法施行令の一部が改正されました。
この改正により、特別管理産業廃棄物に該当しない廃棄物で、基準値を超えるものは水銀含有ばいじん等として扱われます。
水銀含有ばいじん等と特別管理産業廃棄物の中で、一定以上の水銀を含む場合は、処分・再生時の水銀回収も義務付けられました。
廃棄物の適正処理には、水銀濃度を把握することが必要です。

参考

「日本の廃棄物処理の歴史と現状」環境省(https://www.env.go.jp/recycle/circul/venous_industry/ja/history.pdf)を基に作成

「廃棄物処理法施行令等の改正について」環境省(https://www.env.go.jp/recycle/waste/mercury-disposal/H2906_setsumei.pdf)を基に作成

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