排ガスによる人の健康被害事例として広く知られているのは、四大公害の1つである「四日市ぜんそく」です。
これは、排ガスに含まれた亜硫酸ガスを吸引したことが原因となって発症しました。
このように、排ガスから大気中に放出された有害物質等は、曝露や呼吸によって直接体内に取り込まれる危険性があります。
化石燃料の燃焼やごみ焼却により発生する排ガス中の水銀については、ガス態で存在する金属水銀(Hg0)や無機水銀(Hg2+)、そしてダストに含まれている粒子状水銀の形態で存在しており、金属水銀は大気中の滞留時間が1~2年と非常に長く、その長距離移動性により、国境を越えて世界中に拡散されていくため、地球規模の問題となっています。
また、無機水銀についても雨と共に地上に沈降・沈着していき、地上の生物に影響を与える可能性があります。
そこで、平成30年の大気汚染防止法の改正によって、排ガス中の水銀排出を規制するため、罰則を含めた水銀排出基準が設けられました。
それらの測定方法としては、環境省告示94号又はJIS K0222が当てはまります。
参考
「水銀大気排出規制への 準備が必要です!」環境省(http://www.env.go.jp/air/suigin/shiryo/leaflet_mercury.pdf)を基に作成