今、私たちの身の回りには石油製品が溢れており、それらは人々の生活に無くてはならない存在となっています。
また、国内の一次エネルギー供給も石炭・天然ガスを含む化石燃料が大半を占めており、大きく依存しています。
このように私たちの生活になくてはならない化石燃料ですが、それらが産出される地殻には多くの水銀が存在しているため、天然資源には少なからず水銀が含有しており、特に化石燃料には多種多様な水銀種が含まれています。
これらは生産プラントに使用されているアルミニウムと反応し、腐食を引き起こすほか、掘削廃棄物や副次生成水による環境汚染や触媒被毒など様々な問題を引き起こすため、石油・天然ガス精製プロセスには水銀分析及び水銀除去が必須工程となっています。
石油中の水銀分析方法はUOP938-10、20に記載されています。
石油天然ガス以外にも、私たちが普段利用するLPガスは、平成13年に沖縄県において高濃度の水銀が含まれていた事故が発生したことをきっかけとして、「LPガスの品質に関するガイドライン」に水銀の許容濃度が追加されると共に、「LPガス中の水銀分析方法」がJLPGA-S-07に定められました。
参考
「LPガスの品質ガイドラインに水銀許容濃度を規定」日本LPガス協会(https://www.j-lpgas.gr.jp/news/files/20020228_01.pdf)を基に作成